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(前回からの続き)

この話、2回くらいで終わるつもりが
こんなに引っ張ってしまい
とうとうシリーズになってもうた。

 

そもそも、
上の階の人の柔軟剤の量が多すぎて、
しかも夜に洗濯物を干しちゃうために、

臭くて窓を開けて寝れないこと
から端を発した。

「も〜引っ越したい」

とぶつくさ文句を
空に向かって呟いたら、

よく月に地上げ屋さんが訪れた。

それだけの話なんですが。
話はまだ続く。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そんな状況の私に、

 

家賃6ヶ月分は払わなくて良いと言われ、

敷金2ヶ月分も返金してくれて、

さらに引越し費用まで出すって・・。

 

何〜〜も頼みのしないのに、
勝手に地上げ屋さんが、

すまなそうな顔顔真っ青をして、
申し出てくれているのだ。

大阪人だから、すまなそうな表現も
すご〜いうまいの。

ホント、すごくすまなそうにするの

 

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(うまい!コップかぶってすまないお顔)

 

そんなされると、私はどうしても
突っ込みを入れたくなってしまうのだ。

だって、現場的には吉本新喜劇と同じなのよ。
もう、わくわくミーハー状態です。
で、私、決めたんです。

この地上げ屋さんは、
宇宙がよこしてくれた

 

「お金の神様〜天使ちゃん

 

なんだと、思うことに決めたのだ。

神様なのだけど、ふつーに対等なのね。

でも、ありがたい人が現れたことには
変わりないから、

大切にお招きしようと思うんです。

 

地上げ屋さん:
「で、引越し費用というか
退去費用というか、
お詫び費用というか〜、

いかほどで手を打ちたいと
思ってくれはりますのん?

私は、はっきり言って、
お宅さんのことはようわからんですわ。

30年やってきて、
色んな人を見てきましたが、
お宅さんに関しては、普通の人とも思えないし、

もうまともに争えないのもようわかったし〜。

ですから、言いたいことがあったら
私、考えますから、

なんでも言ってください

 

と、語尾を上げながら、
桂三枝師匠風に真剣に喋っている。

 

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(ところであんさんどないしますのん?)

 

やっぱり、大阪弁はいいな。

人の気持ちに沿ったかの様に
聞こえるもんね。

中身は全然伴っていなかったとしても。
映像の中に入りこんでいる感じがたまらん。

 

那旺:
「う〜〜〜ん、よくわかんないな〜。
本当に私って何にも考えてないのね。

かといって考えても、
何にもアイディアは出てこない。
じぇんじぇんわかんない。

頭がおバカさんになっとる感じだよ。」

 

私の心の中では、
これで十分過ぎる位の対応をしてくれているに、

引っ越したい!って先につぶやいたのは、
(地上げ屋じゃなくて相手は宇宙にだけどね)

私の方なんだけどなぁ〜。

そんなにすまなそうに言われても、
困るんだよな〜、地上げ屋神様ったら・・。

も〜、す・て・き

(と、妄想中のラブコール)

 

 

地上げ屋さん:
「そんならようわかりました〜。
今日のところは帰りますわ〜。

次回まで少し考えといてください。

本当は今、ちゃ〜んと決めて帰りたいんやけど、
明日も九州まで行かなあかんし、
次は関西地方やし・・、

はよ決めたいのは山々なんですが、
お宅さんと話している私も・・・、
だんだん頭がこんがらかってきて、

変になりそうなので、
今日は帰らせて貰いますわ〜。

地上げ屋がお客に背を向けて
尻尾巻いて帰ったなんて、

そんな不名誉なこと、
誰にも言わといてくださいな。

(ここでも地上げ屋ッチはシーのホーズをしとる)

 

ほんま、地上げ屋なのに恥ずかしいわ。

なんなんやろか。
この人。。さっぱり、
よ〜わからん。わからん。

も〜ほんま・・え〜わ。

 

と頭かきかきして・・

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(わからんしっぽ巻きぽーずでしゅ)

 

「次回まで考えておいてください」なんて
言われても、

「これで十分です」って言っちゃっても
良いものなのか・・、

とりあえず、
次回にまた神様と遊べるんだな!って
だけ思っておこう。。わ〜い。

 

 

お金の神様、ほんならさようなら〜。

 

こんな感じのやり取りで、
今日のお金の神様はお帰りになりました。

お金の神様、またやって来てね〜。
楽しみに待ってるよ〜

 

(続く)

**********************

 

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(前回からの続き)

 

やっぱり地上げ屋さんはプロだなぁと
感じたのはこの時でした。

H君の喋り口調で・・・、
「こいつは弁護士じゃないな」

っと、直ぐに見抜いた地上げ屋。

目がピカッとした。

 

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(刑事のような眼差し。。見たな〜〜

 

 

この大阪人、
やっぱり洞察力はかなりある。

 

地上げ屋さん:
「そろそろどうでっしゃろか。

本題に入りまひょか?

はっきり言ってくれまへんか?
おいくらになりますかね〜。

ここをお引越しされる費用なんですが・・」

っと、自分のペースを取り戻したかのように
地上げ屋は話す。

まるで、娘の彼氏が「お嬢さんを嫁にください!」っと
やっと言えた瞬間みたいな・・・、

ちょっとバツが悪くって、
かといって応援したくなるような気持ちになる。
(ちなみに私には娘はいないです)

 

那旺:
「地上げ屋さんの言ってる意味が
よくわからへんわ〜。

私にちゃんとわかるように、
説明してねん。(また悪趣味が私をプッシュする)

 

地上げ屋さん:
「お宅さん、こんなこと言って、
ホント、申し訳ないんのは重々承知です

急な話なんですが〜・・、

10月までに出て行ってくれはる
お気持ちはありますん?」

 

那旺:
「だって〜、嫌だって言って一人だけ残ったら、
最終的にはブルドーザーに敷かれて

ドドドドど〜で、
ギュギュとぺったんこになって、
私、死んじゃうんだよね?

まだ、もうちっと生きてみたい。」

 

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(大人をからかっているお茶目なオラだす)

 

地上げ屋さん:
「もう、冗談はやめてくださいよ。
そんなこと出来るわけがない
じゃないですのん。

今のこの時代。。

居住権って〜奴があって、
その法律は私たちからした手強いんですわ。

変なことしたら、スグに捕まって
おまんま喰いあげでっせ、わてらの商売。」

 

那旺:
「そうなんだ〜。

あぁ〜〜、よかった
命拾いした〜〜(ほっ!)」

 

馬鹿正直なH君は、
きっと私のこういう会話が
怖いんだろう。

だって、私の本心は、
ここを出るのには全く抵抗はないし、

むしろ望んでいることを
H君は知っているからだ。

 

じゃじゃじゃん。

そうなんですぅ。

 

それどころか、
私は、別にお金が欲しいわけでもない。

どうせ、近々出ようと思っていたけど、
なかなか踏ん切りがつかなかっただけで、

そんな私に、家賃6ヶ月分は払わなくて
良いと言われ、

敷金2ヶ月分も返金してくれて、
さらに引越し費用まで出すだと・・。

何も頼みのしないのに、
勝手に地上げ屋さんが、

すまなそうな顔をして、
申し出てくれているのだ。

 

それって、どうよ。

 

いったい、宇宙は私にどれだけ
プレゼントをしたいのじゃろうか!
と、調子こく。。

 

愛されとるぅ

 

そんなこんなの余裕交渉だから、
大阪人とのこんな素敵な時間を
楽しまなきゃって、ただ思ってる。

真剣にお仕事をしている地上げ屋ッチ
からしたら、こんな悪趣味な人
を相手にするなんて、

マジ、始末に負えないのもよく分かる。

 

それにしても、
私って交渉ごとが大好きなのだ。
特に潜在意識のコミュニケーションが。
だからカウンセラーのお仕事もワクワクする。
多分前世で相当やってきたね。

 

今までも、絶対無理だって思われていることを
何度かごそっとひっくり返した
こともあるのだ。

 

わ〜いアソンジャオゥ

 

日本中を飛び回って忙しく
お仕事をしている地上げ屋さん。

もうちょっと遊ばせてください。

(まだ続く)

 
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(前回からの続き)

大丈夫かと思うくらい、
今起きたことさえも忘れてしまう、
忘れっぽいこの私が・・、

なんで地上げ屋さんとの会話をこんなに
覚えていて、

しかも、このブログに彼とのやり取りを
長ながと書いているのだろうか。

不思議なんだけど、
なぜかやめられまへんのや。
大阪人がたまらなくツボにはまるんるん〜。

 

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(やめられない止まらない、ガハハハ。。
顎はずれまっせ)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

地上げ屋さん:
「さすが・・お宅さん、わかりますぅ?

実はね、私はですね・・吉本興業に
友人と組んで入ったことがあるんですわ〜。
ちゃ〜んと履歴書も出したしね。

あの時代の同期はナイナイでして・・。

でもねぇ〜、
私たちはそこそこはいけたかもしれへんけど、

どんなに頑張ってもあの人たちまでは
いきませんでしたでしょうね。
やっぱり凄いですよ彼らは。


はい、そんなもんですわ〜

・・・・・・・・・・・・・(間が空く)

あら〜、なんでこんなことまで私は
喋っているんやろか。

あんさん、聞き方がお上手ですねぇ。
つい真顔で本音を喋ってまう。

あ〜この人、こわ。
もう勘弁してください。

気をつけな〜あかんわな〜。危な危な!。

いつの間に、
心の中を丸裸にされてしまう感じですぅ」

 

那旺:
「何もせ〜へんから・・大丈夫やで〜。

へ〜〜、人生いろいろなんやね〜。

ありがとね〜

お父はん、ちゃ〜んと喜んでくれはってるわ。
よくやってくれとるってさ。。」

 

地上げ屋さん:
「え〜、え〜、ぐっえ〜〜〜〜〜〜???
(ごっくんと唾を飲み込む

まさか、ソレって・・わかるんでっか??」

(まつげくるりん目が愛おしいワン)

 

那旺:
「・・・・・・・・・・(微笑むだけ)」

 

地上げ屋さん:
「あ〜あきまへんわ。
またお客さんのペースにはまるところやったわ。
何やってるんやろ、わたし


はぁ?何もせ〜へんって???・・・、

そりゃ、わかりますが・・・、
こう見えても私は地上げ屋でっせ。

何かして帰らな仕事にならないんですわ〜。
幼稚園のお使いじゃありまへんからなぁ」

 

那旺:
「あら、ホントだ!
そんじゃぁ、やってやって!

待ってました〜!!パチパチ、オカッパチ〜 」

 

地上げ屋さん:
「ホント、変わったお人やなぁ〜。

訳わかりまへんわ。
アタマオカシクナッテクル。

また知らない間にペースにはまってるわ。

こう見えても私はですね〜この道30年
のベテランなんですからね、ホンマに〜。

なんかバカにされているみたいで、
汗かきますわ〜」

 

那旺:
「汗といえばさ〜、
変なものあるんよ、うちに。

炭酸なんだけど、菌なのよ。
お金の金(キン)じゃなくて、菌の菌。酵母菌。

飲ませてあげる。発酵しすぎるとアルコール
になっちゃうんだよ。

ね〜、美味しいよね、これ

 

っと、今までこの会話に
一度も参加できていない弁護士と
勘違いされている友人H君に

わたしは同意を促した。

彼が喋ったらどうせ身分はバレるだろう。
余計なことを喋るし、馬鹿正直だから・・。

それにしてもあんまりおちょくると、
地上げ屋さんが可哀想だからね。

 

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(はい、おひとつ、どうぞ〜)

 

H君:
「これ、美味しいでっせ〜(と、これまた関西弁)

さっぱりしますからねぇ。」

 

地上げ屋さん:
「あ〜、弁護士さんも関西の方なんですか?

も〜スゴ。ホント、安心するな〜。
実はわたし、東京の人は苦手ですのや〜。

関西弁でしゃべるだけで、
受け入れてくれない雰囲気を
醸し出されますからねぇ。・・・。

ワッ!このオレンジの炭酸、
結構キツイおますなぁ。
でも、美味しいですぅ。

ありがとうございました〜」

 

H君:
「確かにキツイですわな〜。
よお、わかりますぅ顔
(炭酸がキツイのか東京人の態度がキツイのか、
H君の会話はだいたいわかりまへん)

ここにいる人・・、
那旺さんってホンマに怖いっすよ〜。

私も二人の会話を聞いていてだんだん
怖くなってきました」

那旺:
「や〜だ、H君、誰の味方をしに来たのよ〜。

地上げ屋さん!
この人、10年来のお友達でね、
とってもいい人なのよ。

今日も心配してきてくれたの。
ただ、居るだけなんだけどね。」

 

H君の喋り口調で察知した地上げ屋ッチ。。
「こいつは弁護士じゃないな・・・」

 

っと、
直ぐに見抜いた地上げ屋の目顔を見て、

 

「やっぱりやるな〜お主顔

 

っと。。

この大阪人、洞察力はかなりある。
クルリンまつげの動きで、彼の頭の中が
私にはわかる気がした。

地上げ屋ッチの頭の中は3次元的な洞察みたい
だが・・やっぱりプロだなぁ。

 

って、なんとなく思ったわけで・・。

 

(で、とりあえず続く)

 

 

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【お知らせです】
ハートレジリエンス協会主催・
テーマ「お金と仲良くなろう〜!お金の不安から脱出する」

セミナーの講師を担当することになりました。

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「あなたはお金が好きですか?」って聞かれたら、何て答えるでしょうか?
そしてどんな反応をしますか?


もしあなたに、「お金に対して制限するビリーフ」があるとしたら?
お金に対してどんな「思い」を持っているか、まずは気づいてみませんか!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

豊岡那旺は、ハートレジリエンス協会のボランティア活動をしている登録セラピストです。

ハートレジリエンス協会とは、人々が自己愛で満ち、豊かで、優しく、そして強靭な心であることを願い、また、人と人が心の中心でつながり、交流と協力、理解と寛容さをベースとした社会が実現することを理想として、以下の活動をしているボランティア団体です。

具体的な活動内容として、
1.ショートセミナーの開催
2.被災地のメンタルケアプロジェクト
3.介護者などケアラーの心のケア
4.企業や学校等の組織でのストレスケア研修
5.ハートレジリエンス協会登録のセラピストによるカウンセリングサービス
6.医療とセラピーを結ぶ

ハートレジリエンス協会は、内閣官房が主導する国土強靭化計画に貢献した団体として、「ジャパン・レジリエンス・アワード」において「優良賞」を受賞しました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


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<ショートセミナー>の今月のテーマは、

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【9月28日開催】お金と仲良くなろう〜!お金の不安から脱出するセミナー

★期日間近になっていますのでご注意くださいませ。

【日程】2016年9月28日(水)
【時間】18:30~20:30(受付開始:18:00~)(平日夜の開催です)
【会場】CTW表参道 (http://www.cultureomotesando.com/access-map/
東京都渋谷区神宮前5-12-7 CULTURE表参道2F
【費用】3,000円※セミナーの収益は、東日本大震災復興地メンタルケアプロジェクト、トラウマ、ケアラーのケアプロジェクトの資金となります。
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http://ameblo.jp/naou05/https://cuore-therapy.net/

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【セミナーへのご質問、お問い合わせ】info.seminar@heart-resilience.com  担当:松川 千恵


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(前回からの続き)

 

地上げ屋さん:

「こんばんは〜。
あ〜やっと来れましたわ〜

っと、地上げ屋ッチが玄関に
入った途端、

ぎょっとした顔をして
半歩引き下がった。

 

そんな素直な反応をした
地上げ屋さんを見て、

意外にもわかりやすい人なんだなぁ
と思った。

 

 

人のいい

(お主、わかりやすいわんわん)

 

地上げ屋ッチをギョギョッとさせた原因は、

玄関に脱いであった男物の靴を
見た時のリアクションでした。

 

なんてわかりやすい人なんでしょう。

その反応に大満足し、いたずら好きの私から
したらご馳走すぎて、

どんどん突っ込みたくなっちゃいました〜。

 

きゃ〜、ヤッフォ〜

 

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(地上げ屋っち大絶賛で万歳三唱)

 

だから大阪人って、
分かりやすくて好き!(勝手な決めつけですが)

 

そういえばかつて「大阪人が大嫌い・
憎くてしょうがない」をテーマにして

セッションをしたことがあるな〜。

ほんまに人生って、いろいろだす。

 

 

地上げ屋さん:
「あの〜、もしかして〜

この靴、弁護士さんでっか?
弁護士、呼んでるのん?」

 

那旺:
「あっ〜、まぁね顔

そんなに気にしなくて大丈夫よ。
ちょっと遊びに来ただけだから。

さっ、どうぞ〜上がって、上がって」

 

呼吸を整えるようにした
地上げ屋ッチは、

 

地上げ屋さん:
「えっ、いいんですか〜?
上がっても〜顔

ここのマンションに交渉に来てからというもの、
上にあげてもらえたのって、

お宅さんが初めてですわ〜。びっくりですぅ。

ありがとうございます

ほな遠慮なく、スンマセン。お邪魔致しますぅ」

 

私が用意したことになった弁護士を見て、
地上げ屋ッチは落ち着きを取り戻して
丁寧に挨拶した。

 

地上げ屋さん:
「よろしくお手柔らかにお願いしますぅ」

 

ちゅうか、地上げ屋ッチは、
私の友達を勝手に弁護士だと勘違いしているので、
特にそうだとも、違うとも言わなかっただけです。
(気持ち、いたずらだい

 

那旺:
「どう?交渉はうまく進んでいるの?」


地上げ屋さん:
「はい、おかげさんで。

私の担当ではお宅さんが
最後になりましたんや。

他の担当の者もいるのですが、
彼の担当で一人だけ交渉決裂の人がいるんです。

その人、どうかしてますよ、ホント。。

ありえへん金額を要求してきて、
この際いくらでも取ってやる!

ってな態度で、1階の単身の人やけど・・、
なんですかねぇ、あの人えげつないですわ〜。
全く話になりまへんのや。

あそこまでいってまうと、交渉しても
解決はまず無理です。

あとは弁護士に
解決してもらうしかないでしょうね。

それにしても・・、ここでの仕事は
お金になりませんわ〜。

全然儲けがありません。」

 

那旺:
「どうして?」

 

地上げ屋さん:
「やっぱりそれなりの地域性って
もんじゃないでしょうかね。

皆さん法律も知っているし、
知的レベルが高いから、なんやかんや言ってきて
難しいでんすよ〜。

もう、ここでは儲けることは
諦めましたわ〜。

 

那旺:
「で、私が最後の交渉相手ね。
最後に優しい人でよかった!
って思っているんでしょ?」


地上げ屋さん:
「いえいえ、お宅さんは難関ですわ。
この道30年やってきて、直感なんですが、
イヤ〜な予感がしおります。

なんでお宅さんの順番が最後になったか、
なんとなくわかる気がしますぅ。

あなたを見ていると、
なんだかようわからなくなるんです。
苦手っていうか・・、なんですかねぇ。。

ていうか、ホント、難しい人の交渉は最後
に残しているんです。」


那旺:
「それって1階の頭のおかしい強欲な
人と同じみたい・・っていう意味?」

 

地上げ屋さん:
「いえいえ、お宅さんは別物です。
きちんとされたお方です。

こうやって見ると、
お部屋も丁寧に扱っているじゃ
ないですか。
1階の人とは全然違います。


ちゃいます・ちゃいます

一階のああいうタイプの人っちゅうのは、
性根が悪いもんで、
しゃあないんですわ〜。

どこにでもいるんですね。
あの手のタイプは。
だから私たち地上げ屋はそんなに気にしてまへんのや。

そりゃ気分は良くないですけどね。

めちゃくちゃですからね、
・・・言っていることが・・・。」

 

那旺:
「ふ〜ん、そっか〜。。
面倒くさい仕事をやってんだね?
長い間よく続いているねぇ。すごいね。

ところでさ〜、バブルの時の
地上げ屋さんって、
すごく儲かったんでしょ?

あの時代はものの弾みで悪技なことをやって、
人の一人や二人は死んじゃったり
したんじゃないの?」

 

目つき

(いい奴なのに、一生懸命に悪技がお)

 

地上げ屋さん:
「いえいえとんでも無い事ですぅ。

やめてくださいよ、冗談言うのは。
こう見えてもそんなに悪い人間じゃ無いっすよ。

あの時代はねぇ、よかったなぁ。

(回想シーン)

ガッポガッポと儲かりすぎてね、
高級クラブで酒を毎日飲みまくりまして〜、

だから膵臓がやられちゃって
もしかして来週出る検査結果次第では、
わたし・・入院になる予定ですわ。

もう膵臓はクタクタみたいです、毎晩飲みすぎて。

あの頃は、仕事も遊びも忙しくて大変でしたわ〜。

でも、よく考えてみるとなんも
なんも残った感じがしなくて・・・、
だからバブルなんやね

お金とか権力に溺れると虚しいですねぇ。
(昔を回想する地上げ屋ッチのカールした
まつ毛が可愛い顔

 

地上げ屋の仲間にもひどいことをする奴も
おりましたけどね。

私はこう見えて・・、
それほどヤバイことは
してまへんのや〜。

つまんないじゃないですか〜、
人を陥れてお金を儲けたって、
気持ち良くないですからね〜。」

那旺:
「いつから改心したのよ」

 

地上げ屋さん:
「そうね〜改心ねぇ。したねぇ〜。

父親が死んだ10年前からですわ〜。
なんだか急にちゃんとしなきゃいけない気がして、
親父に誓ったんです。

これからは性根を入れて生きますって。
こう見えても私には子供3人と奥さんと、
残された母親がいますからね。

いつの間に、なんでこんなこと話しているんだ??」

 

那旺:
「親って、失ってみて初めて気づくものだよね、
ありがたいって


それにしてもなんでこの職業を
選んだの?

例えば証券会社とかに就職したら、
地上げ屋さんの実力じゃ、

結構いい成績上げていたんじゃないの?」

 

地上げ屋さん:
「なんでっしゃろうね〜。


あの時は勉強より仕事していた方が
楽しかったからじゃないんですか?

私は17歳でこの仕事に入って、
もうかれこれ30年ですからねぇ。

そんなぁ・・、証券会社とかは選べませんわ。
だって中卒ですよ私は。

でも、まともに勉強していたら、
結構東大なんかに入れたと思うんです。」

 

那旺:
「うん、おせじ抜きで私もそう思うよ

話していて賢いって思うもん。

ところでさ〜、今持っている
ジュラルミンケース、なんでそんなに
小っこくて薄っぺらなの?

地上げ屋が持っている
ジュラルミンケースは大きくないと、

億の単位のお金が入らへんでしょ?」


地上げ屋さん:
「まぁ、今日のケースは小さい方ね。
でも、1日の交渉で5億入れたことも
ありまっせ〜。

そういえば、あの有名なチェーン店の飲み屋
〇〇って、本当にヤバイですよ。

完全にヤクザです。金取りですわぁ。
あんなところに飲みにいっちゃ、いけません。
裏を見たら、ホンマにえげつないですわ〜。

あそこの交渉はかなり危なかった

 

那旺:
「ふ〜ん、そうなんだ〜。

いろんな経験しているんやね。

そういえば、地上げ屋さんってさ〜、
お笑いのセンスもめっちゃあるじゃない?

大阪なんだから、吉本興業に入ればよかったのに。
一度はお笑いの世界に入ろうとは思わなかったの?

絶対、人気者になったと思うんだ。
目はそんなに大きくないし醤油顔だけど、

まつ毛がクルリンとカールしていて可愛いじゃない?」


地上げ屋さん:
「いや〜そう思いますぅ?

実はね、わたし・・吉本興業に
友人と組んで入ったことあるんですわ〜」

 

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(わてら、ボケと突っ込みで舞台に立ちまんのや。ね〜)

 

 

話は尽きなく、今日はこの辺で〜

(続く)

**********************



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(前回からの続き)

 

地上げ屋を泣かす一番の方策は、

「連絡が取れないこと」だと、

後になって、
地上げ屋さんは教えてくれた。

 

それを聞いて・・、

私は無意識的に先制パンチ

を送っちまっていたようです。

 

そんなこんなの得策で私の場合は、
住人の中では交渉が最後になっているはずです。

地上げ屋さんと交渉する前に、
上の住人のところへ行って、

どんな交渉を成立させたのか
様子を聞いておこうっと

・・・・・・・・

 

あの真面目で誠実な上の住人が
教えてくれたことは、

集会で住人が団結する話は、結局
うやむやになったようだ。

日頃、交流が全くない者ばかり
なので、団結するのは難しい
だろうと思ったけど、

地上げ屋の方が一枚上手で、
個人的にうまく取りなして、

個人交渉を進ませたのだろうと!

 

 

上の住人:
「私の場合は、佐川急便に引越しの
見積もりを出して貰い、

クーラーの取り付け費3台分とか、
細かく算出したモノを地上げ屋に
出したら、すぐに合意しました。

自分としてはここしか取れるところ
がないと思ったから、

結構多めに申告したのに
意外にもすんなり成立しましたよ。」

 

那旺:
「そうでしたか。

ちなみに引越し費用はいかほど
請求したんですか?」

 

上の住人:
「契約した時点で、一切
他言しないという約束なので、
それは言えません。」

 

なるほどね〜。

引越し費用なんて、
どう多く見積もっても20万も
行かないだろうに・・・、

なんで引越し費用だけに、
上の住人が固執したのか、
私は不思議でならない。

 

お金をより多く取る為にはどうしたらいいのかを
優先させすぎて、その方法が、
引越し費用でしか、
取れないと思い込んでいるみたい。

取ろう取ろうと思うと、気が焦って
大きなものが見えて来ない。

すると、選択肢が限られてくる。

 

私がセッションをやっていて常に感じる
ことは、

クライアントさんの作っている悩みは、
選択肢がまだ他にもあるにもかかわらず、
見えてない=ないものとして生きている
状態にあります。

悩んでいるせいで、筋肉を硬直させ、
かといって首にも腰にも力の入らない状態。

で、自分を小さくさせているから、
宇宙からのアイディアが入って来ないのだ。

 

私から見たら、上の住人も緊張のあまりに
自分から白旗振っている感じがした。

やっぱり推察した通り、
ちゃんと真面目な方みたいだ。

 

どうせ、出て行くと決めているなら、
もっとやり取りを遊んじゃえばいいのに。。

 

・・・っと思いつつも、
この親切な住人の今後の人生を祝福
して(もちろん心の中でですよ〜)
帰りました。(一階下に)

 

まだ、
一人しか情報は収集していないが、
これで十分なネタだと思った。

 

         

 

数日後・・・。

 

ピンポ〜ン。

おっ!時間ぴったし。

地上げ屋さん、営業マンみたいに
やる気満々だぁね。

 

「わ〜い、大阪人大阪人

ヤクザ屋しゃ〜〜〜ん

おっとっとっと・・ヤクザやじ〜ゃなくて。。

地上げ屋さん地上げ屋さん

どうやって遊んで貰おっかな〜。」

 

仲良し2

(はい、これから第1ラウンド。チ〜ん

 

 

地上げ屋さん:

「こんばんは〜。
あ〜やっと来れましたわ〜

 

っと、地上げ屋さんが玄関を
入った途端、

ぎょっとした顔をして
地上げ屋ッチは半歩引き下がった。

 

降参

(おのれ〜、びっくりしたな〜も〜〜)

 

(続く)
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