(前回のビリーフの続き)

「近づいてはいけない」というビリーフから
ビリーフチェンジする為に、

「お母さんと繋がる儀式」が始まった。

近づけなかった恋い焦がれた人・・・、
それは幼少期のお母さん。

ハイヤーセルフと繋がるのと同じくらい神聖な事ね。
だって、この儀式は〇〇ちゃんの命の本流と
繋がる事だから。

そして私は〇〇ちゃんのお母さんの代理を務める
事とする。

セッションルームの端と端に私とクライアントさんは
3メートル程距離を置いて立つ事とした。

那旺代理母ちゃん;
「〇〇ちゃん、お母さんがいい子いい子をする為に、
そっちに行っても大丈夫?」

クライアントさんは緊張しつつも一呼吸して、
安堵の笑みを浮かべて照れ臭そうに「うん」とうなずいた。

那旺代理母ちゃん;
「じゃあさ〜、私が手招きして『こっちへおいで〜』
って呼ぶとしたら、どう??来てくれる?」

クライアントさんの緊張は急速に深まり、
顔を歪ませた。

クライアントさん;
「いえ、それは出来ません。無理です。」

那旺代理母ちゃん;
「何が〇〇ちゃんを怖がらせているの?」

クライアントさん;
「行こうとしても足が床にくっ付いて先に進めない」

(どどどど、どぼぢよう。ワシの足が、ががががが)

*いったい何が起きているのでしょうか?

解説すると、

お母さんがこっちへ近付いてくることは、
お母さんが受け入れてくれているという証拠だから、
何も困りはしない。
むしろずっと待ちに待った事だ。

しかし反対に、
もし、自分から行った時に一体何が起こるのだろう・・。
それを想像するだけで怖くなる。

もし、拒否られたらどうしよう。
「もうお姉ちゃんなのに!」って、
さとされたらどうしよう。

急に無視して後ろを向かれたらどうしよう。

私はお母さんに愛されていないんじゃないかと、
とずっと胸の底で思っていた事が、
ここで決定的になってしまったら私は全てを失う。
もう生きてはいけない。

・・・そう思っているはずなのだ。
ここに立っている自分は大人の自分じゃない。
子供の心をそのまま胸の奥にしまっている自分だ。

だから、怖くて近づかないで今まで生きてきた。
そう心に決めてからもう50年近くにもなる。

那旺代理母ちゃん;
「〇〇ちゃん、心配なんだね。
そうしたらさ、お母さんにこう聞いてみて。
『お母さん、私がお母さんに近づいても、
嫌ったり馬鹿にして笑ったり、無視したりしませんか?』
って。

クライアントさんはこれと同じセリフをいう。

那旺代理母ちゃん;
「〇〇ちゃん、大丈夫だよ。
お母さんは嫌ってなんかいないし、
もちろん〇〇ちゃんを馬鹿にしたり
無視したりなんて絶対にしないよ。

だからこっちへほんのちょっとだけで良いから、
少しづつ、自分のペースで良いから近寄ってごらん。」

〇〇ちゃんは、こわごわと勇気を出して一歩近づく。
でもその一歩は足の指を毛虫の様にじわじわと進める。
緊張して小刻みに震えている。

*潜在意識が葛藤をしている姿だ。

那旺代理母ちゃん;
「一歩近づいたね。
〇〇ちゃん、なかなかお母さんに近づけない訳はなに?」

幼少期になっているクライアントさん;
「だって、笑って相手にされないかもしれない。
弟の方が可愛いって」

那旺代理母ちゃん;
「〇〇ちゃんにそんな心配させてごめんね。
笑うわけがない。あなたを愛している。
さあ、おいで。お母さんはあなたの心を裏切らない」

こうやって、
〇〇ちゃんは不信感を抱いていた自分の心と相談しつつ、
一歩一歩近く度にお母さんの気持ちを確認し、
そしてまた一歩先に進み、
最後にはお母さんの元へ辿り着いた。

そしていっぱい、いい子いい子をしてもらった。

(あ〜、愛しい我が子。食べちゃいたいくらい可愛いよ。)

こうして「良い子じゃないと愛されない」という、
条件付きの愛から解放され、

「有りのままの自分で良い」を得た瞬間であり、
同時に「近づいてはいけない」というビリーフが
終わりを迎えた。

これからは、彼女がきちんとした仕事をしても、
上司に、「ちゃんとやれば良いってもんじゃないんだよ!」

な〜んて理不尽な事はもう言われないだろう。

何故って?

もう、自分より目上(母親=上司)に対して、
偉くなくたって、必要以上にきちんとしなくたって、
出来ない自分でも受け入られると思えてくると、
理不尽を言う人が不思議と一人一人と消えていくものなのだ。

彼女の好きな詩。
この言葉を聞くとどういう訳か必ず涙が溢れるって彼女は言う。

この詩の「あなた」の正体は本当は誰だったのか??

「あなた(お母さん)が私のそばにいてくれると勇気が出るの。

あなた(お母さん)が私のそばにいてくれるだけで、

私は力が発揮できる♪

(だいだいだいだい大好き。ママ〜ん)

あなたの正体は恋い焦がれていた「お母さん」でした。
それがわかった時に〇〇ちゃんは、
嗚咽を漏らした。

「理想のお母さんって、
まるでハイヤーセルフみたいだね。」

<後書きとして>

・・・クライアントさんの若い頃のお母さん役に
代理で努めさせていただいたカウンセラー那旺では
ございますが、

軽いぎっくり腰とは言いつつも、
〇〇ちゃんが近づいてくれて抱きしめた体勢は、
体が左にひねくれ曲がっちまったお母さんでありまして、
どう見ても姿だけは理想の母には程遠かったです。

でも、心はしっかりと大役を果たせたのでありま〜す。
(言い訳)

(次回に・・続く)

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