(前回からの続き)

 

地上げ屋さん:

「こんばんは〜。
あ〜やっと来れましたわ〜

っと、地上げ屋ッチが玄関に
入った途端、

ぎょっとした顔をして
半歩引き下がった。

 

そんな素直な反応をした
地上げ屋さんを見て、

意外にもわかりやすい人なんだなぁ
と思った。

 

 

人のいい

(お主、わかりやすいわんわん)

 

地上げ屋ッチをギョギョッとさせた原因は、

玄関に脱いであった男物の靴を
見た時のリアクションでした。

 

なんてわかりやすい人なんでしょう。

その反応に大満足し、いたずら好きの私から
したらご馳走すぎて、

どんどん突っ込みたくなっちゃいました〜。

 

きゃ〜、ヤッフォ〜

 

Unknown-5

(地上げ屋っち大絶賛で万歳三唱)

 

だから大阪人って、
分かりやすくて好き!(勝手な決めつけですが)

 

そういえばかつて「大阪人が大嫌い・
憎くてしょうがない」をテーマにして

セッションをしたことがあるな〜。

ほんまに人生って、いろいろだす。

 

 

地上げ屋さん:
「あの〜、もしかして〜

この靴、弁護士さんでっか?
弁護士、呼んでるのん?」

 

那旺:
「あっ〜、まぁね顔

そんなに気にしなくて大丈夫よ。
ちょっと遊びに来ただけだから。

さっ、どうぞ〜上がって、上がって」

 

呼吸を整えるようにした
地上げ屋ッチは、

 

地上げ屋さん:
「えっ、いいんですか〜?
上がっても〜顔

ここのマンションに交渉に来てからというもの、
上にあげてもらえたのって、

お宅さんが初めてですわ〜。びっくりですぅ。

ありがとうございます

ほな遠慮なく、スンマセン。お邪魔致しますぅ」

 

私が用意したことになった弁護士を見て、
地上げ屋ッチは落ち着きを取り戻して
丁寧に挨拶した。

 

地上げ屋さん:
「よろしくお手柔らかにお願いしますぅ」

 

ちゅうか、地上げ屋ッチは、
私の友達を勝手に弁護士だと勘違いしているので、
特にそうだとも、違うとも言わなかっただけです。
(気持ち、いたずらだい

 

那旺:
「どう?交渉はうまく進んでいるの?」


地上げ屋さん:
「はい、おかげさんで。

私の担当ではお宅さんが
最後になりましたんや。

他の担当の者もいるのですが、
彼の担当で一人だけ交渉決裂の人がいるんです。

その人、どうかしてますよ、ホント。。

ありえへん金額を要求してきて、
この際いくらでも取ってやる!

ってな態度で、1階の単身の人やけど・・、
なんですかねぇ、あの人えげつないですわ〜。
全く話になりまへんのや。

あそこまでいってまうと、交渉しても
解決はまず無理です。

あとは弁護士に
解決してもらうしかないでしょうね。

それにしても・・、ここでの仕事は
お金になりませんわ〜。

全然儲けがありません。」

 

那旺:
「どうして?」

 

地上げ屋さん:
「やっぱりそれなりの地域性って
もんじゃないでしょうかね。

皆さん法律も知っているし、
知的レベルが高いから、なんやかんや言ってきて
難しいでんすよ〜。

もう、ここでは儲けることは
諦めましたわ〜。

 

那旺:
「で、私が最後の交渉相手ね。
最後に優しい人でよかった!
って思っているんでしょ?」


地上げ屋さん:
「いえいえ、お宅さんは難関ですわ。
この道30年やってきて、直感なんですが、
イヤ〜な予感がしおります。

なんでお宅さんの順番が最後になったか、
なんとなくわかる気がしますぅ。

あなたを見ていると、
なんだかようわからなくなるんです。
苦手っていうか・・、なんですかねぇ。。

ていうか、ホント、難しい人の交渉は最後
に残しているんです。」


那旺:
「それって1階の頭のおかしい強欲な
人と同じみたい・・っていう意味?」

 

地上げ屋さん:
「いえいえ、お宅さんは別物です。
きちんとされたお方です。

こうやって見ると、
お部屋も丁寧に扱っているじゃ
ないですか。
1階の人とは全然違います。


ちゃいます・ちゃいます

一階のああいうタイプの人っちゅうのは、
性根が悪いもんで、
しゃあないんですわ〜。

どこにでもいるんですね。
あの手のタイプは。
だから私たち地上げ屋はそんなに気にしてまへんのや。

そりゃ気分は良くないですけどね。

めちゃくちゃですからね、
・・・言っていることが・・・。」

 

那旺:
「ふ〜ん、そっか〜。。
面倒くさい仕事をやってんだね?
長い間よく続いているねぇ。すごいね。

ところでさ〜、バブルの時の
地上げ屋さんって、
すごく儲かったんでしょ?

あの時代はものの弾みで悪技なことをやって、
人の一人や二人は死んじゃったり
したんじゃないの?」

 

目つき

(いい奴なのに、一生懸命に悪技がお)

 

地上げ屋さん:
「いえいえとんでも無い事ですぅ。

やめてくださいよ、冗談言うのは。
こう見えてもそんなに悪い人間じゃ無いっすよ。

あの時代はねぇ、よかったなぁ。

(回想シーン)

ガッポガッポと儲かりすぎてね、
高級クラブで酒を毎日飲みまくりまして〜、

だから膵臓がやられちゃって
もしかして来週出る検査結果次第では、
わたし・・入院になる予定ですわ。

もう膵臓はクタクタみたいです、毎晩飲みすぎて。

あの頃は、仕事も遊びも忙しくて大変でしたわ〜。

でも、よく考えてみるとなんも
なんも残った感じがしなくて・・・、
だからバブルなんやね

お金とか権力に溺れると虚しいですねぇ。
(昔を回想する地上げ屋ッチのカールした
まつ毛が可愛い顔

 

地上げ屋の仲間にもひどいことをする奴も
おりましたけどね。

私はこう見えて・・、
それほどヤバイことは
してまへんのや〜。

つまんないじゃないですか〜、
人を陥れてお金を儲けたって、
気持ち良くないですからね〜。」

那旺:
「いつから改心したのよ」

 

地上げ屋さん:
「そうね〜改心ねぇ。したねぇ〜。

父親が死んだ10年前からですわ〜。
なんだか急にちゃんとしなきゃいけない気がして、
親父に誓ったんです。

これからは性根を入れて生きますって。
こう見えても私には子供3人と奥さんと、
残された母親がいますからね。

いつの間に、なんでこんなこと話しているんだ??」

 

那旺:
「親って、失ってみて初めて気づくものだよね、
ありがたいって


それにしてもなんでこの職業を
選んだの?

例えば証券会社とかに就職したら、
地上げ屋さんの実力じゃ、

結構いい成績上げていたんじゃないの?」

 

地上げ屋さん:
「なんでっしゃろうね〜。


あの時は勉強より仕事していた方が
楽しかったからじゃないんですか?

私は17歳でこの仕事に入って、
もうかれこれ30年ですからねぇ。

そんなぁ・・、証券会社とかは選べませんわ。
だって中卒ですよ私は。

でも、まともに勉強していたら、
結構東大なんかに入れたと思うんです。」

 

那旺:
「うん、おせじ抜きで私もそう思うよ

話していて賢いって思うもん。

ところでさ〜、今持っている
ジュラルミンケース、なんでそんなに
小っこくて薄っぺらなの?

地上げ屋が持っている
ジュラルミンケースは大きくないと、

億の単位のお金が入らへんでしょ?」


地上げ屋さん:
「まぁ、今日のケースは小さい方ね。
でも、1日の交渉で5億入れたことも
ありまっせ〜。

そういえば、あの有名なチェーン店の飲み屋
〇〇って、本当にヤバイですよ。

完全にヤクザです。金取りですわぁ。
あんなところに飲みにいっちゃ、いけません。
裏を見たら、ホンマにえげつないですわ〜。

あそこの交渉はかなり危なかった

 

那旺:
「ふ〜ん、そうなんだ〜。

いろんな経験しているんやね。

そういえば、地上げ屋さんってさ〜、
お笑いのセンスもめっちゃあるじゃない?

大阪なんだから、吉本興業に入ればよかったのに。
一度はお笑いの世界に入ろうとは思わなかったの?

絶対、人気者になったと思うんだ。
目はそんなに大きくないし醤油顔だけど、

まつ毛がクルリンとカールしていて可愛いじゃない?」


地上げ屋さん:
「いや〜そう思いますぅ?

実はね、わたし・・吉本興業に
友人と組んで入ったことあるんですわ〜」

 

images

(わてら、ボケと突っ込みで舞台に立ちまんのや。ね〜)

 

 

話は尽きなく、今日はこの辺で〜

(続く)

**********************



セラピスト那旺の動画はこちら

 

魔法学校&霊能者シリーズ PDF版 プレゼントはこちら

 

セッションのお申し込みはこちら