(前回からの続きです)
18歳の頃(40年以上も前の話)
Kちゃんは、完全に勘違い&濡れ衣状態、
さらに誤診で精神病院に入院させられ、
その上、大量の薬の投与をさせられ、
数ヶ月の間に廃人にさせられた過去がある。
あの頃の精神病院と言ったら、
社会的にすごい偏見があった。
「気狂いがきた!」と指差し、心無い言葉を
平気で使っていた時代だ。
ことの経緯を、
私的には憤りと共に、
世間に言いまくりたいところだが、
クソ〜〜〜〜〜
(人の人生をなんだと思っているんだ!)
・・・ここで爆発すると
地震でも起きそうなので控えよう。
・・・・・・
前にも話した様に、
Kちゃんの子供たちに接する時の目は、
本当に愛おしそうに輝いている。
どんな子供でも平等に扱う。
かつて、18歳の時の彼女もきっと同じ様な目で、
子供たちを見ていたのだろう。
シスターのお姉ちゃんにバイトを頼まれて、
養護施設で「お姉さん」として働くようになった。
初めはあまり乗り気ではなかったが、
養護施設で子供たち(中高生の悪ガキ時期の子)
と触れ合う様になると、愛おしくて、楽しくて、
いつの間にかKちゃんの生きがいになって行った。
Kちゃんの子供たちを愛する思いは、
純粋な子供たちに直ぐに伝わっただろう。
他のクラスの子供たちも、
Kちゃんのいるところに集まってきたという。
(あっ!優しいお姉さんだ!)
しかし、Kちゃんの想いとは反対に、
施設の先生は彼らの居ない時に、
ボロクソに罵っていた。
先生:
「あの子らは、万引きしたりしてロクなもんじゃない」
「親がまともじゃないから、そうなるんだ!」
「人間のクズだ!」
その言葉を聞くたびにKちゃんは
苦しくて気が遠くなったという。
そして・・・、
子供たちがKちゃんを慕うに従って、
先生は子供たちをKちゃんから
離そうとした。
私が想像するに、
愛をもって接するKちゃんの行為そのものが、
先生にとって都合が悪かったのかもしれない。
多少悪さはしたとしても、
心根の良い子たちである。
子供たちの可能性を見出すどころか、
悪口を言う先生。
(酷いよ、酷いよ!そんなこと言わないで!)
そのあと、
子供たちと引き離されてしまったKちゃんは
悲しすぎて、ただただ声をあげて泣いたそうだ。
「なんで、あんな良い子たちをそんな目で
見るの?違うのに・・。悲しいよ〜」(回想シーン)
(私もあの時は若かったからさ〜。←っと、本人の言葉)
その泣き方が尋常じゃないと思われたのか、
職員の人にKちゃんが連れて行かれた先は病院だった。
あとでわかったことだが、
そこは精神病院だった
・・・・・・・・・
病院の医師に尋ねられたそうだ。
医師:
「なんで泣いているのだ?」
と聞かれたKちゃんは、
どうせ言ったところでわかって貰えないと
思い、
Kちゃん:
「ただ悲しいから泣いているのです」
医師:
「悲しいだけで泣くのか?」
Kちゃん:
「悲しいから涙が出て来るのです」
医師:
「理由がないとおかしいじゃないか!」
Kちゃん:
「悲しいだけで泣いてはいけないのでしょうか?」
医師:
「どうかしている」
Kちゃん:
「あなたみたいな医師がいるから、
いけないのです」
そのあと・・・Kちゃんは、
注射を打たれて気を失った。
もうろうとした意識で気が付いた翌朝、
彼女の居場所は鉄格子の中だった。
それから薬漬けの時が半年近く待っていた。
それまでに何度か家族は面会に来てくれたが、
退院させてもらうには至らず、
半年経った時に、
完全に廃人になって形相が変わってしまった
Kちゃんをみた父親が、
Kちゃんの願いを叶えてくれて、
逃げる様に退院したそうだ。
それから回復するのに2年は要した
と言っていた。
なんで、こんなことを書いているのかと
いうと、
彼女が癌になった理由がここにある
気がしてならない。
ここしか見当たらない。
ストレスによって蓄えられた毒素は、
猛毒であると今の科学で検証されている。
この時の経験が毒となって、40年後に
体に反応したのではないだろうかと。
そんなことを今更言ってもせんないことだが、
Kちゃんの純粋さと、
正直さと、
恐れを知らない輝きゆえに悲劇が
起きた気がする。
うちのクライアントさんもKちゃん同様に
純粋さ故に社会から苦痛を味わわされている
人がいらっしゃる。
人間関係の恐ろしさから、自分を小さくして
ビクビクして生きている。
もし、Kちゃんと違ったところがあるのなら、
Kちゃんは恐れを知らないところだ。
Kちゃんは神様だけを恐れている。
恐れているというのは
「畏れ多くも愛している」という意味だ。
そんな、彼女の強さ、彼女の美しさを讃えたい。
(私は、あなたを尊敬しています)
これからどんなに頑張ったところで、
そう遠くない時期に、
私は・・・、
Kちゃんの死と向き合わなければ
ならないだろう。
神様の元に旅立たれるのを、
私は祝福せねばならない。
Kちゃんが、それを心底喜んでいるのなら、
一緒に賛美歌を歌い続けるだろう。
私の心の中にKちゃんは生き続ける。
人の心に宿る人間で在りたい。
Kちゃん、大好き!生涯の愛しい友
(続く)
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