片付けの中で洋服選びが一番ハードルが低いらしい。
洋服で、足ならしをしてから、次の項目に進むのだ。
なかなか出来たカリキュラムだのう。
さて、前回のブログでは洋服さんたちを12袋捨てた。
次の日がゴミの日だったもので、洋服さんたちはベランダで
一休みすることもなく、ゴミ集積所に直行した。
しかも、雨がザーザーと降っていた。
きっと、ベランダに置いたとしたら、
間違えなく私は「一枚~、二枚~と」ゴミ袋をあさっていただろう。
洋服を捨てた夜、私は夢でうなされた。
三枚の洋服が、ゲゲゲの鬼太郎に出てくる
「一反木綿」ように私の前にクローズアップされた。
「そ、そそ、そんな~、もう遅いよ~、びしょ濡れやもん」
「無理無理。やだよ、頼むから諦めて!」
と、夢うつつになりながら、一反木綿とやりとりをしていた。
朝、目が覚めて、体も心も重かった。
3枚といっても、そのうちの1枚は2千円位のTシャツだった。
それに比べたら、私の捨てた服たちは、一度も手を通していない
まあまあ高価なものが10枚以上はあった。
でも、何故かそのTシャツが残る理由が有ったようだ。
後は、ニットのセーター。それもそんなに大した品物でもない。
ただ、私に似合っていた。
残りの1枚が罪悪感の塊になって、私の胸をドキドキさせた。
「多分、もう着ないはずなんだけどな~」
それは、一反木綿のような神式の白袴一式だった。
でも、もう遅い。
今はだいぶ小雨になったが、昨日の夕方から外は豪雨だった。
こんな時、また、天使くんからタイミングよく電話が鳴った。
なんで、こんなに朝早く電話が来るのかな~と思いつつ、
電話を取った。
(因みに、天使くんは、「テーマ・メリーの奇跡」の中に、
2度ほど出てくるので、良かったら参照してください)
特に用事は無かったようだ。
でも、私の落ち込んでいる声を天使くんは聞いて、
「那旺はん、どうしたんや~」と尋ねた。
「あのね~、私、大変のことをしてもうたの。だって、白袴一式を
捨てちゃったんだもん。もう、びしょ濡れだし、ゴミ屋さんだって
スグに来ちゃうもん。」
天使くんは、「何やってんだよ、スグに拾ってらっしゃい!」と
大声を上げた。
「ヤダ!あんなに山盛りのゴミの中から、見つけることなんて不可能だし、
あと、1分しか時間ないし。びしょ濡れになるし、変な人だと思われるもん」
と私。
「まぁ、何でもいいから、取りに行きなさい!!」と厳しいお声。
「え~~ん、わかった(^-^)/」と、ゴミ集積所に行ったら、
やっぱりびしょ濡れになった服たちが、生ゴミと一緒になって
ゴロゴロと転がっていた。
「わからん。どこにあるかなんて。」
ゴミ収集車の音が近づいてきた。
「あっ、そういえば、黄色の風呂敷の近くに捨てたような…」
火事場のクソ力とはこの事で、傘を放り投げ、
1分間で10分以上の働きをした気がする。
「見つけた!!黄色の風呂敷」
私がビニール袋を手にしたときは、ゴミ収集車が到着していた。
ビニール袋を玄関で開けたとき、
一切濡れることもなく服たちは私を迎え入れてくれた。
まきちゃんが丁寧なゴミ袋の締め方をしてくれた御蔭と、
ゴミたちの一番下にあったせいで、白袴や扇子などは、
全く無傷だった。
不思議なことに、その白装束の真上に、一反木綿となって出てきた
Tシャツがチョコンとのっていた。
「なんじゃ、このストーリーは…」
落ち着いてハーブティーを飲みながら、
信じられないくらいに少なくなった、選ばれた服に目をやる。
昨日、まきちゃんに捨てる方に手渡した、一反木綿のニットのセーターが、
有るではないか。
まきちゃんが、有り難いことに、間違えてくれた。
こうして、夢に出てきた一反木綿は全て帰ってきたのだった。
この、ミステリアスな現象から、
私は「在るべきものは何らかの形になって戻ってくるものなのだ。」
と理解せざるを得なかった。
もう安心して、お任せしよう。
ハートに忠実に生きよう。
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