$弾ける笑顔 クオーレテラピー-大口真神様
    【大口真神様】
天使くんが、メリーを御岳山まで連れて行くというので、
天使くんの情熱から、「うん」と返事をしたものの、
ケーブルカーを登った先の、急な坂道と階段は、
ひとりでもゼーゼー言ってしまうのに、マジで大丈夫なんだろか。

天使くんだって、前回、登るのにいっぱいいっぱいだったのに、
メリーを背負って登ると言い出す。

私は彼のことを天使みたいにピュアな人だから「天使くん」と呼ぶが、
実は別名「神主くん」とも呼んでいる。
彼のように神ごとに対して、真摯に取り組む人は少ないと思う。

今回も参道に入ったら、
サンダルからビジネスシューズに履き替えていた。
本当に真面目というか、なんちゅう人だ。

さて、メリーを車に乗せて30分ほど走ってはみたが、
メリーは、車に慣れていないので、ハーハーとダウン気味。
せっかく良くなった健康状態に負担があってもいけないと判断し、
車は一度引き返し、メリーにとって快適な家に置いてきた。

「めりちゃんの意識だけ御岳山に連れて行くから、待っててね!」

お参りが終わって帰りの参道を過ぎたとき、雷が走った。

「おっ、龍神様のお出ましね。メリーのところまで付いておいで!」
と天使神主くんは、手をパンパンと叩いている。
(やっぱり変な人だ)

でも、その後、大田区の御嶽山に帰るまで、雷は鳴り続け、
雨は私たちを追いかけるように移動した。
行く先々、道は濡れていないのだが、
車と同時に雨が追いかけてきたので、私も龍神様、本気かいな?
と感化された。

さあ、メリーも復活し、そろそろお迎えの時が来ました。

今回のお別れは、今までとはちょっと違い、ちょっと深刻です。

いつもメリーを預けに来る息子の哲が、仕事で岩手県に行ってしまうので、
本当に最後の別れになるかもしれないのです。

メリーは、哲とお父さんと三人で暮らしています。

お正月まで哲は帰って来ないので、
私も今度のお別れは、覚悟を決めていました。

哲は私の気持ちがよく分かっているので、
タクシーに乗るときには、メリーの顔を私に近づけて優しく微笑みました。

「メリー!素敵な思い出や温もりをありがとう。」
一生忘れない。大切なお友達。ドキドキ愛してる。
大~~~~~~~~~~~~~~~~~好き!!                                  
なぜだろう、メリーを乗せたタクシーを見送った私は、
手を併せ、深々と頭を下げていた。
得体のわからぬ「偉大なるものに」繋がった気がした。

$弾ける笑顔 クオーレテラピー-靴を履いたメリー様
     【靴を履いた小口メリー様】

                               
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