そんなこんなして、とうとう臨月になり、
産まれる為の準備を整えだしました。
私がセレモニーとして欲しかったものは…
1.この世では誰一人も触ったことのない肌触りをした
ふ~わふわの真っ白なバスタオルを用意しました。
(私がこの世で体験する最初の歓迎グッズはコレです)
2.経験の深い超一流の優しいお産婆さんに、
若いアシスタントが二人付きます。
一人のアシスタントは、生まれた時間を記録係として書いてくれます。
3.場所はお産婆さんの個人宅で、洋館の20畳くらいある一室で、
ベッドはお姫様用のキングサイズのベッドです。
4.お庭からか、おしろい花かジャスミンの花の香りが少し香ります。
お庭は森のように樹木がさやさやと動いています。今日は晴天
5.窓の外には何匹かの鹿やウサギが目を輝かせて、
心配そうに窓から覗いています。
みんなで私の誕生を待ってくれています。
6.交通事故で私が小学校3年生の時に死んでしまったおじいちゃんは、
ニコニコして、今か今かと待ち望んでいます。
7.犬のメリーも、まだ若い頃のよく目が見えている状態で、しかも
メイドさん風のエプロンをつけて、旗を片手に持って待機しています。
8.姉たちも待っています。
9.父に関しては、周りがあまりにも歓迎気分で浮かれているので、
自分も一緒に宴会せにゃあかん雰囲気で、楽しそうにしています。
10.三番目の最後の子。両親にとっては記念すべき最後の出産で、
近所の人も待ち構えています。
さあ、もう準備は完全に整いました。
私はみんなの「ワッショイ!ワッショイ!」と言うの声援をもらい、
最高のリズムの中で、波の様に産まれてきました。
ふわふわの白いタオルに包まれて、お産婆さんから
お母さんの柔らかな胸に私は置かれました。
お母さん、美しいです。
ここは、まるで天界の様です。
未だにワッショイ、ワッショイの声が鳴り止みません。
お庭の鹿さんやウサギさんやメリーも、手をつないでワッショイダンスを
踊っています。
おじいちゃんはオイオイと泣いてくれています。
<続く>
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